c..現代の巡礼ルートの最近のブログ記事

現代における巡礼ルート(提案ルート)

|

現代における巡礼ルート(提案ルート)


1.まえがき
a.「現代版の札所順・ルートを示して」というリクエストにお答えてして、分かり易い札所順・ルートを簡単に説明しておきます。
 なお、寄り道(例えば大山や鹿島神宮参拝など)はしないことを前提にしております。

b.十辺舎一九の「方言修行金草鞋第十篇 坂東順礼」において、「この順礼その順にはまわりがたし、ただ道順よきように参るべし」と記されているように、坂東を番号順に廻ることは効率的ではありません。

c.ここでは、これまでに入手した歩き巡礼者の実績を参考に、札所の廻り順・ルートを説明します。  本提案ルートの地図は、カテゴリー(目次)の「9.提案ルート」に、札所区間順に記載しました。

d.なお、この提案ルートとは別のルートも、数多くあります。これについては、カテゴリー(目次)の「A.提案ルート外のルート」に記載しました。

e.坂東は、1番から順に廻り14番から1番へ戻る一つの内環があり、次に、その外側に15番から順に廻り33番から鎌倉にもどる外環が付属するように形になっています。これは私の大胆な推測になますが、鎌倉を中心にした防衛線上の情報ネットワークとして、最初に第1情報ネットワークとして内環が、その後に鎌倉の勢力拡大に伴い第2情報ネットワークとして外環が形成されていったのではないでしょうか。 

fudajunban.jpg

2.現代版の札所順・ルートの作成日
  ・H19. 9.29  千葉県を作成
  ・H19.10.18  茨城県を作成
  ・H19.10.25  栃木県を作成 
  ・H19.10.27  群馬県を作成
  ・H19.11.16  埼玉県を作成
  ・H19.11.20  東京都を作成
  ・H19.12. 7  神奈川県を作成

                         提案ルートのルート概要図 

gendaiosusumerout1.jpg

a.神奈川県
1番杉本寺→2番→3番→4番→5番→7番→6番→8番→14番弘明寺
b.東京都、埼玉県 
  (14番弘明寺)→13番→12番→11番→10番→9番慈光寺 
c.群馬県
(9番慈光寺)→15番→16番水沢寺~17番満願寺(栃木県です)
d.栃木県
(17番満願寺)→(文挟経由)→18番→19番~21番日輪寺(茨城県です)
e.茨城県
(21番日輪寺)→22番→23番→20番西明寺(栃木県です)→24番→25番→26番清滝寺~28番龍正院(千葉県です)
f.千葉県
 (28番龍正院→27番→(JR松尾~JR八街経由)29番→30番→31番→32番→(和田浦経由)→33番那古寺

   なお、この札所順・ルートを選んだポイントは次のとおりです。
・発願寺(スタート)を1番杉本寺にすると、必然的に8番星谷寺→14番弘明寺となります。
 なお、発願寺を14番弘明寺にすると、8番星谷寺から13番浅草寺へ大山街道を歩くことになりますが、同街道は街道の面影は殆どなくなっており14番→13番(東海道)にあるような名所・旧跡もあまりありません。 
・9番慈光寺→15番長谷寺は秩父経由もありますが、山道が多く一般的ではありません。
・17番満願寺→18番中禅寺は足尾(阿世潟峠、半月峠など)経由もありますが、峠までの道が荒れていて一般的ではありません。
・19番大谷寺→21番日輪寺は札所番号順の20番西明寺経由もありますが、江戸時代の打ち順を尊重し日輪寺への直行としました。なお、道としては黒羽町経由と小川町経由がありますが、宿確保の面などから小川町経由としました。
・27番円福寺→29番千葉寺は複数のルートが考えられますが、江戸時代の巡礼道でもあることを尊重し八街経由としました。
・29番千葉寺~31番笠森寺は笠森寺への直行と30番高蔵寺経由がありますが、笠森寺への直行はその後の打ち順(31→32→30→33)において房総の山並みを2回横断しなければならないことから避けました。高蔵寺経由は札所番号順であること、江戸時代の巡礼道を多く歩けること、景色の良い房総の海岸線を歩けるなどの利点もあります。

3.札所順にもとづく説明
a.発願寺(起点)
 江戸時代には、住まい(自宅)から全てを歩いての巡礼であったことから、坂東巡礼道に取り付く札所が発願寺になっていたようですが、特別な目的(例えば、「坂東順禮獨案内図」にもとづき歩くなど)がない限り、交通機関の発達した現代では、1番杉本寺を発願寺にするのが一般的ではないでしょうか。なお、これは余談になりますが、関西方面の方が貸切りタクシーを利用される場合には、新幹線新横浜駅に近い14番弘明寺を発願寺にされることが多いと聞いております。


b.1番杉本寺→2番→3番→4番→5番勝福寺 
 このルートは皆さんがほぼ同じになります。(参考資料 YAさん、OSさん、TEさんなど)
5番勝福寺の先において大山へ寄る場合には、7番を先に済ます4番→7番→5番になります。

 *参考資料の「YAさん」などは、カテゴリー 4.現代の巡礼記録(その1)(その2)によります。

c.5番勝福寺からのルート
7番→6番と大山経由6番への2つのルートがあります。
①7番→6番ルート 平地のルートです。(参考資料 YAさん、OSさん、TEさん)
②大山経由6番ルート 山登りルートです。(参考資料 YAさん、JIさん、KNさん);

d.6番長谷寺→8番番星谷寺
 このルートは皆さんがほぼ同じになります。(参考資料 YAさん、OSさん、TEさんなど)

e.8番番星谷寺からのルート
14番弘明寺へ、12番慈恩寺へ、9番慈光寺への3つのルートがあります。
①14番弘明寺へのルート 一部は大山道(参考資料 YAさん、OSさん、TEさんなど)
②12番慈恩寺へのルート 江戸期のルート(参考資料 ATさん)
③9番慈光寺へのルート  参考資料 KNさん

f.14番弘明寺→13番→12番→11番→10番→8番慈光寺
 このルートは皆さんがほぼ同じになります。(参考資料 YAさん、OSさん、TEさんなど)

g.8番慈光寺→15番長谷寺
 直行と秩父1番経由の2つのルートがあります。
①直行ルート JR八高線沿いの平地ルート(参考資料 OSさん、TEさんなど)
②秩父1番経由ルート 山道あり(参考資料 YAさん、JIさん)

h.15番長谷寺→16番→17番満願寺
 このルートは皆さんがほぼ同じになります。(参考資料 YAさん、OSさん、TEさんなど)

i.17番満願寺→18番中禅寺
 足尾経由と文挟経由の2つのルートがあります。
①足尾経由 阿世潟峠か半月峠越えがあり、山道歩き経験者以外の一般の人には奨められない。
      (参考資料 YAさん、ATさん、JIさんなど)
②文挟経由 JR日光線沿いのルート、文挟~中禅寺間は往復になる。
(参考資料 TEさんなど);

j.18番中禅寺からのルート
 19番大谷寺と21番日輪寺への2つのルートがあります。
①19番大谷寺ルート このルートは皆さんがほぼ同じになります。
 (参考資料 OSさん、TEさん、ATさん、JIさんなど)
②21番日輪寺ルート 19番大谷寺ルートの今市で分岐し矢板~黒羽~21番日輪寺。
 (参考資料 なし(国道461号)。黒羽~21番日輪寺はJIさん、ATさん)

k.19番大谷寺→21番日輪寺
 20番西明寺経由と直行の2つのルートがあります。
①20番西明寺ルート (参考資料 TEさん)
②直行ルート 小川町で分かれての、黒羽経由と常陸大子経由の2つのルートがあります。
・黒羽経由 交通の便が良くない(参考資料 JIさん、ATさん)
・常陸大子経由 常陸大子での交通確保が可(参考資料 OSさん、MAさん)

l.21番日輪寺~22番佐竹寺
 下野宮で分かれての、久慈川沿いと小生瀬・天下野経由の2つのルートがあります。
①久慈川沿いルート JR水郡線沿いで交通に便利(参考資料 OSさん、TEさんなど)
②小生瀬・天下野経由ルート 江戸期のルート、交通の便が良くない(参考資料 JIさん)

m.22番佐竹寺→23番→20番→24番→25番→26番→28番龍正院
 このルートは皆さんがほぼ同じになります。(参考資料 OSさん、TEさんなど)

n.28番龍正院~27番円福寺
 このルートは皆さんがほぼ同じになります。(参考資料 OSさん、TEさんなど)
*小南経由の江戸期ルートも考えられます。(参考資料 金草鞋坂東巡礼、現地調査資料)

o.27番円福寺~29番千葉寺
 九十九里浜沿いを進み内陸に入り千葉寺を目指しますが、内陸に入る地点をどこにするかによってルートが異なります。代表的な地点としては次の3箇所になります。
 ・松尾地点 松尾~八街~坂戸~29番(参考資料 文献調査結果(独案内の飯沼~千葉間)、TEさん)
 ・成東地点 成東~日向~内小間子~29番(参考資料 OSさん)
 ・東金地点 東金~29番(参考資料 MAさん)

p.29番千葉寺~31番笠森寺
直行と30番高蔵寺経由の2つのルートがあります。
 ①直行ルート 浜野付近から内陸部へ(参考資料 OSさん、MAさん)
 ②30番高蔵寺経由ルート 姉ヶ崎から内陸部へ、姉ヶ崎~30番は2つのルートがあります。
 ・県道ルート (参考資料 TEさん)
 ・古道ルート (参考資料 現地調査資料)

q.30番高蔵寺からのルート
31番笠森寺と33番那古寺への2つのルートがあります。
①31番笠森寺へのルート  馬来田経由と東横田経由の2つのルートがあります。
 ・馬来田経由 古道のようです。上総牛久で東横田経由ルートと合流。(現地調査資料)
  *高蔵寺~馬来田~鶴舞~笠森寺のルートも考えられます(現地調査資料)
 ・東横田経由 県道と国道409号です。高蔵寺~東横田は往復(参考資料 TEさん)。
②33番那古寺へのルート 佐貫経由で内房を33番那古寺へ(参考資料 OSさん、MAさん)。
 なお、②ルートの上総湊~浜金谷~保田~岩井間は、国道とは名ばかりで、歩道なしの片側一車線トンネルが数多くあります。赤色点滅灯の携帯が望まれます。くれぐれもご注意を。H19.8 岩さんからの情報。

r.31番笠森寺~32番清水寺
大多喜経由と芝原経由の2つのルートがあります。
 ①大多喜経由 いすみ鉄道の利用可(参考資料OSさん、MAさん)
 ②芝原経由 江戸期のルート、交通の便が良くない。(参考資料 TEさん、現地調査資料)

s.32番清水寺~33番那古寺
 外房海岸沿いと30番高蔵寺経由の2つのルートがあります。
①外房海岸沿いルート 内陸に入る地点をどこにするかによってルートが異なります。
 ・和田浦地点 内陸で起伏あり(参考資料 TEさん)
 ・南原地点 江戸期のルート(参考資料 金草鞋坂東巡礼、現地調査資料)
②30番高蔵寺経由ルート
  大多喜、久留里の城下町経由で30番高蔵寺へ。その先は30番高蔵寺からのルート参照。
  (参考資料 OSさん、MAさん)

zori.jpg

高蔵寺   奉納草鞋

カテゴリ(目次)