i.朝暉房の坂東順礼の最近のブログ記事

朝暉房の秩父坂東西国順礼行程記

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〇R2.5.20 追記  マルセさんから連絡あり、表を修正し差し替え 

 マルセさんに本記事作成を連絡したところ、坂東部分を全訳し送って下さいました。ありがとうございます。 いただいた資料は、解説本のような様式で個別の解説があり、中味も濃くマルセさんの何時もの調査力に脱帽です。

 内容をこれまでのものと突き合わせたところ、誤訳、誤記などが散見されましたので、修正し差し替えることにしました。修正内容の主なものは次のとおりです。

a.誤訳の訂正:打ちて良し→行て良し。 山道難ぎ也→難所。 いし道→はら道。 15番箕郷→箕輪

b.「11番 御成橋川は、御成河岸川では?、当時橋は無かった」 これについては、ネットで調べたところ、将軍家康が鷹狩の際に、臨時の舟橋を作って渡っていたとのことが分かり、これを尊重し御成橋川にしました。

c.「33番の坂下の場所は「公文書館の天保郷帳では「塩入村枝郷」の注釈つきで「坂之下村」。 また、国道127号のトンネルも「坂下トンネル」なので、間違いないでしょう」とのこと。少し不確定であった一つが解消されました。

d.「第三図の読み下しの「乾」ですが「坤(ひつじさる)」です。南西ですね。これならば今の建物とも合いますね」

                                         令和2年4月23日

  朝暉房渇子著 「秩父坂東西国順礼行程記」の坂東部分の現代語訳

  原本の 出典 :早稲田大学図書館 古典籍総合データベース(公開)

1.書籍の概要

 a.著者 朝暉房渇子(チョウキボウ カツシ) 詳細不明

 b.出版者(版元) 皇都(京都)山城屋佐兵衛

 c.出版年 不明(文政年間(1818~1830)の情報もあり)

 d.内容は、百観音巡礼を目的に、秩父、坂東、西国順礼の行程を案内しています

   なお、西国では、33番谷汲~伊勢山田の距離と山田~那智までのルート案内あり

 e.坂東部分の内容は、大きく分けて次の二つになります。第3図参照

  ①寺の情報  国名、宗派、御詠歌、山号、寺号、御本尊、寺領高、開基など

  ②ルート情報  経過地と里程、山川坂の有無、川の渡り方(徒歩、舟、橋)、道の難ぎさ、名所など

2.本資料の内容

 本資料は、坂東部分の「②ルート情報を対象に、現代語に翻訳したものです。作業にあたっては、原本を尊重しましたが、読み切れないところもあります。特に、地名は市町村合併で消滅しているものもあって。

 第3図の翻訳部の下から2段目「はら道也 まつばやし有り」は、読み切れていません。アドバイスがありましたらご連絡下さい。 なお「はら道」は、他では「原道」の記述もあります。ルート状況から坂道のような気もしますが、他では坂道の記述もあり混乱です。 

3.御礼

 本資料の作成に当たっては、坂東巡礼経験者の平田さんから送っていただいた、原本に忠実な仮名訳をベースにさせていただきました。 ありがとうございました。

4.坂東の内容の特徴

a.巡礼順として、第1図に示すように、まず1番から13番(弘明寺)を打ち、次に江戸に戻り、その後はほぼ札番号順に回っています。これは注目されるところです。番号順にこだわっている感じがあります。

b.記述は、30番高蔵寺で終わっています。ここから江戸までなどの案内はなく、尻切れトンボになっています。

c.地点間における山川坂の有無、川の渡り方(徒歩、舟、橋)、道の難ぎさ、名所、近道などの記述があり、他の資料には見られないところです。特に、川の渡り方の記述は、橋や舟にはお金が必要であったことから貴重な情報だったことが推察されます。

d.坂東から秩父への連絡に関する記述はなし。

5.ルート上の特記事項

a.近道と抜け道の案内あり  田の内に近道有(7~5)、 寺の脇より抜け道有(15~16)

b.14番~15番 妙義山(奇岩、怪石、神社)を案内している、白岩から5里。

c.17番出流~18番中禅寺は、道筋わろしとして19番大谷に進んでいる。他の資料と同じ。

d.地点追加されているか省略されているもの

 ・19番~18番 今市~日光~清瀧~馬返し~18番、他の資料は今市~鉢石~18番

 ・21番~22番 小生瀬~天下野間に馬次がある

 ・22番と23番 村松虚空蔵がない

 ・27番~29番 飯沼~玉埼間に常世田がある。

 ・29番~31番 千葉~曽我野~八幡~荻作~長柄山、他の資料は千葉~草刈~潤井戸~長柄山

 ・32番~33番 天津~清澄の距離表示あり2里。 加茂(峠道)の記述なし

e.その他

 ・鹿島と鳥栖に寄っていますが、案内は鹿島大神宮のみで鳥栖神社はありません。

 ・33番那古寺から30番高蔵寺間の、「坂下」は、豊岡海水浴場の少し北側でバス停名あり。

  

                 第 1図 ルート概要図

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                   第2図 行程記の表紙

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                第3図 本文の一部

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      第3図の現代語訳

      〇26番 常陸の清瀧

       わが心 今より後は にごらじな 清瀧寺へ 詣る身なれば

       同小野村 南明山 清瀧寺

      本尊一丈六尺の聖観世音 行基の作 堂は五間四方 坤向(*南西)

       真言宗 寺領10石 

        これより28番滑川行てよし  滑川へ10里半

      清瀧~土浦へ2里半   土浦~君島へ3里半

      君島~江戸崎へ2里

        はら道也 まつばやし有り 

      江戸崎~滑川2里半

       川有 舟渡し 桑山村 新川舟渡し 利根川舟渡し

6.現代語への翻訳(全体)      第2版(R2.5.20)

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